OLYMPUS DIGITAL CAMERA

塩の道 逆走 Bike Packing [ DAY2 ]

夜中から降り出した雨は朝起きるとすでにそこそこ強くなっていたが、奇跡的に見つけた超快適な屋根のおかげで問題なし。
全員一列に並んでビビーに潜り込りこみ、吹き込みも気にせずに朝まで熟睡することができた。
こんなふうに僅かなスペースさえあればどこでも幕営できるビビーの自由度の高さはこういった旅のスタイルでは最強の武器になる。
雨が降ってなければ屋根だっていらないし、これが我らが愛するゴロ寝スタイル。笑

今回チョイスしたビビーはBrooks-Range Alpini Bivy Sack 3レイヤーの防水ビビーで耐水圧、透湿性ともに信頼性は◎。結露もしにくく何よりもこのメッシュがあることでこれくらいの気温の時期には涼しくて開放的に眠れるので最高だ。自分の中では雨に対する信頼度でいえばRab ALPINE BIVIがダントツでNo,1だが、雨風に対するプロテクションと快適性とのバランスが絶妙なこのビビーが最近のお気に入りになっている。

時折強く降る雨に若干出発をためらう。

雨はあまり弱まる気配がない。
昨日のロードオンリーのコースから今日はいよいよ塩の道トレイルの核心部に入るし、そこそこタフな一日になりそうな予感しかないが、同時にこの先に待ち構えるオフロードセクションを思うと自然と気持ちが高ぶってくる。
まずは、各自でコーヒーを入れたり、軽い朝食を済ませたりしながらゆっくりと出発の準備を始める。

この年始から朝食を中鎖脂肪酸MCTオイルとGEE(発酵バター)を入れたコーヒーだけにしている。今回のトリップでもやってみたらどうかと思って小分けで持ってきたが結果これだけでも昼までしっかり体が動いた。体が上手に自分の脂肪をエネルギーにできるようになってきたかな?

出発は8時過ぎ、まずは小谷方面に向けてゆっくりと自転車を漕ぎ出す。
白馬岩岳〜小谷栂池にかけてはしばらくアスファルトの山道が続くが、いよいよ塩の道トレイルの入り口にはいるとそこからはトレイル天国! 細かいアップダウンが連続する気持ちのいいトレイルを進む。登りも下りも乗車率ほぼ100%!これは最高だ!と雨も忘れるくらいにテンションMAXに。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

塩の道トレイルは小谷〜糸魚川の区間は大きく東ルートと西ルートに分かれる。僕らはオフィシャルコースマップの「千国越えルート」から西側の「石坂越えルート」を行くことにした。MAPを見るとわかるがこの石坂越えルートは国道148号に沿うようなルートになっている。やはりオフロードでアップダウンの多いトレイルは下りが早いMTBとはいえロードに比べ圧倒的に距離が伸ばせない。ゴール地点の糸魚川まではDAY2、DAY3で残り約60〜70 kmの道のりだが、今日のここまでのペースでいくと1日30km進むのが限界かなという印象だった。また最終日は昼ごろには糸魚川のゴール地点に到着したいので実質的に残された時間は1日半になる。この先のトレイルの状況も未知だったので、状況次第ではいつでも国道にエスケープして先に進む事ができる石坂越えルートを選択した。逆に東側の千国越えルートは峠越えの連続でタフそうではあるが、もしかすると最高のダウンヒルができるかもしれないし、いつかはこちらのルートも行ってみたい。

さて、実際に走ってみるとこの「千国越えルート」〜「石坂越えルート」はトレイルもよく整備されているし、いたるところに歴史を思わせる石仏や石碑が多く見られるので、楽しいライドに加えてさらに「古道」ならではの魅力も味わえる素晴らしいコースだった。またトレイルもずっと続くというよりも途中何度も昔ながらの小さな集落に出たりすることが多いが、そういった景色の移りかわりもまたトリップ感を増幅させてくれる要素になっている気がする。

このエリアは自分達が求めているMTBでダウンヒルを楽しみながら先を進むというBIKE PACKINGスタイルの理想的なルートの一つだと思う。世界的に見てもこんなに山の中にまで細かく道路が発達した国はこの日本くらいしかないが、だからこそ道路とトレイルを細かく繋ぎながら、ダウンヒルを楽しむことをメインに考える今回のトリップのようなBike packingのスタイルが可能になる。この塩の道小谷エリアにはそんな要素が凝縮されている気がする。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

午後4時回った頃、北小谷駅を過ぎたくらいのところでそろそろ今日の宿泊地を見つけようということに。
ただこの小谷エリア、幕営地になるようなキャンプ場がなく民宿などの宿泊施設も殆どないのが唯一のネック。
この日もひとまず姫川温泉郷まで行ってそこでどこかステルス泊ができるような場所を探そうとなり、国道148号を走っていると途中でいきなりMoose石田さんが「なんか硫黄の匂いがするよ」とストップし周囲を見回す。と全然気づかなかったが前方に「温泉」の旗が立っている。すかさずその場でGoogleで調べてみると、まったくノーマークだったがなんと天然温泉施設のすぐ脇でキャンプもできるということが判明! Day1に続きこんなミラクルあるんだなぁと皆で大喜びしながら、この日のヒーローになった石田さんを称える。笑

湯原温泉「猫鼻の湯」 塩の道の途中にある最高の秘境温泉です。

国道から姫川 の渓谷に向かって降りていくと壮大な渓谷にポツンと佇むディープないい感じの雰囲気の温泉施設が。もう完全に当たりです。
「湯原温泉 猫鼻の湯」どう見てもフルDIYな作りの建物の中はこれまた山小屋を思わせるナイスな雰囲気。また料金もリーズナブルで、なによりも源泉掛け流しの泉質は最高。しかも小屋にはビールまで売ってるし。本当に言うことなしの最高の秘境です。

さらにこの日は平日というのもあってか、自分たちの他にはお客さんはいない貸切状態。
しかもここの店主のおじいさんがかなり変わった面白い方で、7時頃に「俺はもう帰るけど泊まってる人はいつでも好きに風呂入っていいし、この小屋で寝てもいいからな。」と言い残して帰るという予想もしない展開に。笑
もうこれ以上ない最高の宿泊地で、この日も快適で楽しい夜を過ごさせていただきました。

塩の道トレイルを行くなら、この「湯原温泉 猫鼻の湯」は絶対におすすめです!

DIY感満載のディープな作りの小屋。中もまた落ち着く休憩スペースがあります。

小屋で泊まってもいいよと店主さんに言ってもらえたのだが、やはりこんな大自然の中せっかくなので外でキャンプさせてもらうことに。小屋の目前のスペースを借りてこの日も4人川の字でゴロ寝スタイルで就寝。

夜はもちろん焚き火を囲んでこの日も充実の1日を締めくくります。

 

焚き火を囲んで談笑を楽しんだあとは、寝る間際にもう一度露天風呂に入って本当に贅沢な夜でした。

Day3につづく。